
世間ではすっかり桜の季節になってしまいましたが、こちらは少し前の写真。3月の上旬、島根県の右端にある安来市へ行ってきました。

時刻は朝8時頃、海岸道路からの光景に惹かれて思わず道路脇に停車。朝の澄んだ空気と遠くまで広がる穏やかな水面に心を奪われました。
島根といえば宍道湖が有名ですがこちらはそのお隣にある中海。海水と淡水が入り交じっている汽水湖です。




少し移動して、中海へ流れる飯梨川の河口へ向かってみます。






河口に堆積した土砂でできた砂浜を歩く。時間帯のせいか周囲には誰もおらず。


こちらはコハクチョウ。11月~3月頃まで越冬のためにシベリアからやってきているそうです。ここで会う予定ではなかったけれど今回のお目当ての1つ。






もう今日はこれだけでいいのでは?と思ってしまう満足感。このままボーっとしていたいと後ろ髪を引かれつつも、せっかく来たので次の場所へ。

次の場所、能義平野。すでに遭遇してしまいましたがコハクチョウの飛来地だそう。




最初は周囲に見当たりませんでしたが、やがて聞こえてきた鳴き声への方向へ視線を向けると上空にその姿が。飛んでいく一群のあとを追って足を進めてみます。


いました。

めっちゃいました。




遠目には他の集団も見え、眺めているあいだ離合集散を繰り返していました。平野で耳にするのはコハクチョウの鳴き声と時折通過する車の音だけ。







※ちゃんと畦道を歩いています。


春の訪れを感じる日差しと土の香り。少し生暖かい感じが個人的にはとても心地よかった。






































最後は県を跨いで鳥取へ。伯耆町の植田正治写真美術館に向かいます。大山はさすがの迫力ですね。


以前日南町でも見かけた特急やくも。




植田正治氏は山陰を中心に活動した写真家。戦前から活躍されており展示写真の多くは白黒でしたが、一枚一枚がとても鮮明で、当時の白黒ってこんなに綺麗に撮れたのかと少し驚きました。




みんなが撮る画。


作品は鳥取砂丘を舞台としたものが特に有名ですが、個人的に一番印象に残ったのはミュージアムショップで見かけた妻の紀枝さんを被写体とした写真集。その瞳に宿る光や口元の柔らかな笑みはまるですぐ目の前にあるかのようなリアルさで、とても70年もの遠い昔に過ぎ去った光には思えませんでした。
写真ってすごいな、率直にそう感じました。


